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メンフィス・ベル(原題:MEMPHISBELLE
   監 督 :マイケル・ケイトン=ジョーンズ
   出 演 :マシューモディン、エリック・ストルツ、テイト・ドノバン、D・B・スウィニー、他。
   ジャンル:ドラマ(戦争)
   1990年  アメリカ(イギリス)


 
注)以下、ネタバレだらけです!

【あらすじ】
 イギリス本土の基地に駐屯していたB-17昼間爆撃機部隊に所属する「メンフィス・ベル」とその搭乗員の物語です。
 
 メンフィス・ベルはヨーロッパ本土へ24回出撃し、あと一度出撃すれば搭乗員はアメリカに帰国できて英雄扱いです。
 しかし、最後の出撃先は危険度の高いドイツの工場でした。
 軍はメンフィス・ベルの搭乗員達を国民の戦意高揚に利用しようと、カメラマンを従えたブルース大佐がやって来ますが、それは基地司令官をはじめ搭乗員たちの神経を逆撫でするものでした。
 彼らはあと一度出撃しなければならないのです。

 予定の日、目標地点の天候も確認され、B-17は次々に離陸していきます。


 僚機を何機か失い様々な困難を乗り越えて、B-17部隊が基地に戻ってきます。
 が、そのなかにメンフィス・ベルの姿はなかったのです。
 メンフィス・ベルは、双眼鏡を覗く司令官も諦める頃にやっと戻ってきます。



車輪が片方しか出ていない!

 その姿はボロボロでした。
 重量を軽くするため機銃は捨てています。
 それでも銃弾を受けたエンジンは四発中一つしか回っていず、それも燃料不足で着陸は一発勝負でした。
 着陸態勢に入った時、地上の整備員がつぶやきます。
 「車輪が片方しか出ていない…。」
 


【感想】 
 実話を基にしているようです。
 1944年にもこの機のドキュメント映画が発表されていますが、この時の監督はウイリアム・ワイラー(ローマの休日)でカメラマンの乗っていた機は撃墜されてカメラマンは死亡したとか!

 私はのんびり飛ぶプロペラ機が好きなんですが、結局戦争の道具なんですね。

 爆撃隊には最初は戦闘機の護衛が付きますが航続距離が短く途中で引き返していきます。
 何とか目的地上空に着きますが雲で視界が悪く爆弾を投下できず、高射砲弾の炸裂する中を旋回する事になります。
 スコープを覗く爆撃手の横にいた航空士が突然飛び掛かって爆撃スイッチを入れようとします(爆弾を落としてしまえば帰れる)が、爆撃手はそばに学校もあるんだ、とそれを許しません。
 この頃はアメリカ軍はまだ一般人を区別していたんでしょうか?

 背景を考えると難しくなりますが、いったんそれらを忘れてみれば、好きな映画です。



  2018.09.    ................ 傑作映画館の目次ページへ